株式会社トマックサポートセンター

訓練等給付について

訓練等給付とは?障害福祉サービスにおける概要・種類・介護給付との違い・申請手続きまで分かりやすく解説

障害や難病を抱えながら「地域で自立した生活を送りたい」「一般企業で働きたい」「日常生活の知識や能力を身につけたい」と考えたとき、大きなサポートとなるのが「訓練等給付」です。

「介護給付と訓練等給付は何が違うの?」

「自分に合った就労支援や自立訓練サービスを知りたい」

「利用するために障害支援区分の認定は必要なの?」

このような疑問や不安を感じている当事者やご家族は少なくありません。

障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスは、身の回りの介護を受ける「介護給付」と、自立や就労に向けたトレーニングを行う「訓練等給付」の2つに大別されます。

この記事では、訓練等給付の基本概念から、提供される具体的なサービスの種類、介護給付との違い、対象者の条件、利用料金の目安、申請から利用開始までの手順を分かりやすく解説します。

1. 障害福祉における「訓練等給付」とは?

訓練等給付とは、障害者総合支援法に基づいて提供される障害福祉サービスのうち、障害のある方が自立した日常生活や社会生活、就労を実現するために必要な訓練や支援を提供する給付事業のことです。

介護給付が「現在の生活に必要な介護や介助を受けること」を主目的としているのに対し、訓練等給付は「本人の能力向上や自立支援、働く場の確保」を目的としている点が大きな特徴です。

原則として一定の利用期間(1年〜2年など)が設けられており、ステップアップを目指して利用するサービスが多く含まれています。

2. 訓練等給付で利用できる主なサービスの種類

訓練等給付は、提供される支援内容によって「自立訓練」「就労支援」「居住支援」などに分類されます。

自立訓練(身体機能・生活能力の向上)

・機能訓練:身体障害のある方や難病の方を対象に、身体機能の維持・回復やリハビリテーション、身体障害者用具の利用訓練などを一定期間行います。

・生活訓練:知的障害や精神障害、高次脳機能障害のある方を対象に、入浴や排せつ、家事などの自立した日常生活を営むために必要な知識や能力の維持・向上のための訓練を行います。

・宿泊型自立訓練:知的障害や精神障害のある方を対象に、居室や設備を提供しながら、一定期間夜間や休日の生活訓練を行います。

就労支援(働くこと・働き続けることの支援)

・就労選択支援:2024年4月より順次スタートした新しいサービスで、就労アセスメントを通じて本人の意向や適性に応じた就労先・就労支援サービスの選択をサポートします。

・就労移行支援:一般企業への就職を目指す方を対象に、事業所内での職業訓練やPCスキルの習得、企業での職場体験(実習)、就職活動のサポート、就職後の定着支援を行います(標準利用期間は2年)。

・就労継続支援A型(雇用型):一般企業での就労が困難な方に、雇用契約を結んだ上で働く機会を提供し、知識や能力の向上を図ります。最低賃金以上の給与が支払われます。

・就労継続支援B型(非雇用型):一般企業やA型での就労が困難な方に、雇用契約を結ばずに作業機会を提供し、生産活動に応じた工賃が支払われます。

・就労定着支援:就労移行支援などを経て一般企業に就職した方を対象に、職場での人間関係や生活面の困りごとの相談に乗り、長く働き続けられるようサポートします(標準利用期間は最大3年)。

居住支援(暮らしの場を支える支援)

・共同生活援助(グループホーム):障害のある方が、世話人や生活支援員のサポートを受けながら、地域社会の共同住宅で自立した生活を送ります。

・自立生活援助:一人暮らしを始めた障害のある方の自宅を定期的に訪問し、食事や金銭管理、地域住民との関係づくりなどの相談・アドバイスを行います。

3. 介護給付との違いと対象者の条件

訓練等給付を利用するにあたり知っておきたいポイントを紹介します。

介護給付との大きな違い

・目的の違い:介護給付は日常生活の「介護・介助」が中心であり、訓練等給付は「自立や就労に向けたトレーニング・機会提供」が中心です。

・障害支援区分の要否:介護給付の利用には原則として障害支援区分の認定(区分1〜6)が必要ですが、訓練等給付の多く(就労移行支援や自立訓練など)は、障害支援区分の認定を受けなくても利用が可能です(※グループホームなど一部サービスを除く)。

・利用期間の設定:介護給付には期間制限がありませんが、訓練等給付の多くには原則1〜2年の利用期間が定められています。

対象者

身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病のある方で、自立訓練や就労支援が必要と認められた方。

4. 利用料金(自己負担額)の目安

訓練等給付の利用料金は、介護給付と同様に原則「1割負担」です。

世帯の所得状況に応じて「負担上限月額」が設定されているため、月に何度サービスを利用しても上限額以上の支払いは発生しません。

世帯の所得区分と負担上限月額の目安

・生活保護受給世帯:0円

・市町村民税非課税世帯:0円

・一般1(課税世帯・年収約600万円まで):9,200円

・一般2(上記以外の課税世帯):37,200円

※20歳以上の障害者の場合、世帯所得は「本人と配偶者」の収入で判定されるため、多くの当事者が月額0円または9,200円の上限範囲内で利用しています。

5. 申請から利用開始までの流れ

訓練等給付を利用するための手続き手順です。

ステップ1:相談と事業所見学

市区町村の障害福祉窓口、または「相談支援事業所」に相談します。利用してみたい事業所(就労移行支援やグループホームなど)の見学や体験利用を行います。

ステップ2:支給申請と聞き取り調査

自治体の窓口へ給付申請を行います。担当者による状況聞き取り調査が行われます。

ステップ3:サービス等利用計画案の作成

相談支援専門員と一緒に、目標や希望に応じた「サービス等利用計画案」を作成します。

ステップ4:支給決定と受給者証の発行

自治体から利用できるサービスの種類や支給量が決定され、「障害福祉サービス受給者証」が発行されます。

ステップ5:事業者との契約と利用開始

希望する指定事業者と利用契約を結び、訓練や支援をスタートします。

まとめ:一歩を踏み出して自分らしい生き方を手に入れよう

訓練等給付は、障害や持病があっても「働く喜びを得たい」「一人暮らしにチャレンジしたい」「生活のスキルを高めたい」という当事者の前向きな気持ちを支える大切な制度です。

介護給付とは異なり、障害支援区分の認定がなくても利用できるサービスが多いため、まずは体験見学などを通じて自分に合った環境を探すことができます。

「自分にはどのような訓練や支援が適しているか分からない」という方は、ぜひ役所の障害福祉窓口や相談支援専門員に相談し、自分らしい未来へ向けた第一歩を踏み出してみてくださいね。

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